AI生成の広告はどれくらいあるのか
広告のうちどれだけがAIで作られているのか、大きな数字を目にすることが増えました。こうした数値は、3つの出典から8件が公表されています。そのうちF7は、実際に人の目に触れた広告を数えた唯一の数値で、AI検出を販売する企業が出したものです。2件は、広告バイヤーによる割合の推定です。
8件のうち4件は、2026年10月2日に確認した1件のIAB調査によるものです。見出しでは、バイヤーは2026年までに、プロンプトから画像・動画・テキストを作る生成AIが全広告の40%を作ると見込んでいます。
| 数値 | 数えている対象 | 公表元と日付 | 標本と手法 | スポンサー | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| F1 2026年までに全広告の40% | 動画広告クリエイティブを対象とした調査での、全広告に占める割合に関するバイヤーの予測 | IAB、2025年7月15日 | 広告バイヤーへの調査。リリースに標本数の記載なし | IAB(Advertiser PerceptionsおよびGuidelineと共同) | IABのリリース |
| F2 2025年に購入されたデジタル広告の約30%、2026年は39% | 米国の広告主・代理店が購入するデジタル広告の割合に関するバイヤーの推定 | IABのレポート(VideoWeekによる報道)、2025年7月15日 | バイヤー側の幹部クラスへの調査。標本数の記載なし | IAB(Advertiser Perceptionsと共同) | VideoWeek |
| F3 広告主の半数 | 動画広告の制作に生成AIを使っている広告主 | IAB、2025年7月15日 | F1と同じ | F1と同じ | IABのリリース |
| F4 バイヤーの86% | 動画クリエイティブに生成AIを使っている、または使う予定のバイヤー | IAB、2025年7月15日 | F1と同じ | F1と同じ | IABのリリース |
| F5 800万超 | MetaのGenAIクリエイティブツールを1つ以上使っている広告主 | Meta CFOのSusan Li氏、2026年第1四半期決算説明会、2026年4月30日報道 | Metaの自社プラットフォームのデータ。手法は非公開 | Meta | TechCrunch |
| F6 900万 | MetaのAIクリエイティブツールを1つ以上使っている小規模事業者 | Meta CEOのMark Zuckerberg氏、2026年第2四半期決算説明会、2026年7月29日 | Metaの自社プラットフォームのデータ。手法は非公開 | Meta | 書き起こしの転載 |
| F7 広告ファイルの8.9%、3,379件中2件が開示 | Metaの公開広告ライブラリにある画像・動画ファイルのうち、AI作成またはAI加工と判定されたものの割合と、そのうち広告文でAIに触れているものの数 | Resemble AI、2026年10月22日 | 509社の広告15,433件から37,768件のファイルを、2026年9月に収集し、Resemble独自の検出器で採点 | Resemble AI | PPC Land |
| F8 1000万近く | 2026年第3四半期にMetaのAIクリエイティブツールを使った広告主 | Meta CFOのSusan Li氏、2026年第3四半期決算説明会、2026年10月21日 | Metaの自社プラットフォームのデータ。手法は非公開 | Meta | PPC Land |
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数値の種類ごとに何を測っているか
出回っている数字は4種類あり、広告そのものについてのものは2つです。5つ目として、プラットフォーム自身によるラベル付き広告の件数が考えられますが、どのプラットフォームも公表していません。
ツールを使っている広告主:F5、F6、F8は、AIクリエイティブ機能を1つでも使ったことのあるアカウントを数えたものです。画像を1枚動かしただけの広告主も、全広告をAIで生成する広告主も、同じ1件になります。そのため「800万の広告主」という数字から広告の割合は分からず、このページでも広告の割合に換算していません。
割合に関するバイヤーの推定:F1とF2は、購入する広告のうちAIで作られた割合をバイヤーに尋ねたものです。広告を出す当事者の推定で、広告の割合に最も近い数値ですが、あくまでアンケートの回答です。
利用中または利用予定のバイヤー:F3とF4は人数を数えたものです。「利用予定」は意向にすぎません。
プラットフォームのアーカイブ内の広告:F7は、Metaの公開広告ライブラリのファイルをResembleの検出器にかけたもので、実在の広告を数えています。ただし8.9%という数値は、Resembleが販売するモデルの「Fake」判定に基づきます。
プラットフォームのラベル件数:公表されているものはありません。Meta、TikTok、GoogleはいずれもAI作成の広告にラベルやマークを付けていますが、ラベル付き広告の件数は明らかにしていません。
IABの数値を詳しく読む
IABの2025年7月15日付リリースは、見出しの数値を予測として示しています。「バイヤーは、2026年までにGenAIクリエイティブが全広告の40%に達すると予測しており、小規模・中堅ブランドの導入が大手ブランドより速い」。パートナーとしてAdvertiser PerceptionsとGuidelineの名を挙げていますが、標本数と調査実施日は記載がありません。
30%という数値はリリース本文にはありません。VideoWeekが伝えた完全版レポートの記述で、「米国の広告主と代理店が購入するデジタル広告のうち、今年は約30%が生成AIで作られたものになる」とされ、そこから39%まで上昇するとしています。
このため、同じ調査が、ある所では2026年の39%、別の所では40として出回っています。ANAの要約(2025年7月18日)は、「広告クリエイティブの3分の1近く」として伝えています。
F1は動画広告クリエイティブの調査に基づき、F2は米国の広告主と代理店が購入するデジタル広告を数えたものです。どちらも、2025年と2026年に向けた米国バイヤーの見込みです。引用する際は、アンケートによる推定と年を添えてください。
各プラットフォームの開示状況
Going forward, “About this ad” will also include “AI info” labels we already apply to ads created or significantly edited with our generative AI creative tools. We will also begin automatically detecting ads created or edited using third-party AI tools through industry-standard signals. When detected, we’ll apply an “AI info” label included in About this ad.
Metaは、自社のAIツールで作成または大幅に編集した広告に「AI info」ラベルを付けます。他社のAIは、C2PAなどの業界のシグナルで検出します(Metaビジネスヘルプセンター)。決算説明会で示されるのはユーザー数(F5、F6)で、ラベル付き広告の件数はありません。ラベルが表示される条件は、Meta広告のAI開示ガイドで解説しています。
TikTokは、AIGCラベルも注意書きもない、大幅にAIで作られた広告を却下または制限します(広告ポリシー)。ラベル付き広告の件数は公表していません。ルールはTikTokのAIラベルガイドで紹介しています。
Google広告は、自社ツールで作成したアセットにSynthIDとC2PAを付与し(Google広告ヘルプ)、マーク付き広告の件数は公表していません。
Amazonは、出品者に画像内のAI生成の人物へのタグ付けを義務づけています。2026年7月23日にCNBCが報じました(CNBC)。件数は公表されていません。
AI広告の開示ルールでは、各プラットフォームのルールを法規制と並べて整理しています。
調査方法
数値が一覧に載るのは、プラットフォーム、業界団体、調査会社が公表し、何を数えたかを明示している場合です。出典元か、それに最も近い公開レポートで確認します。ベンダーの統計ページは、数値が出回っている場所としてのみ掲載します。ベンダー自身の調査は、標本と手法を公開している場合に限り掲載し、スポンサー欄にそのベンダー名を記します(F7)。
2026年10月2日の検索:「how many ads are ai generated」「IAB report 2026 percent of video ads created with generative AI」「Meta advertisers generative AI ad tools number」。手法が公表されていない数値には「method not published」(手法非公開)と付け、ページの先頭には置きません。
新しい数値は次の行IDで追加し、既存の行は修正しても同じIDを保ちます。修正は、このページの変更履歴と更新・訂正に表示されます。
このデータの引用方法
adtestbench、「AI生成の広告はどれくらいあるのか」、https://adtestbench.com/data/ai-ads-census/、更新。
出典
- IAB:Nearly 90% of Advertisers will Use Gen AI to Build Video Ads, According to IAB、2025年7月15日付リリース。2025年版「Digital Video Ad Spend and Strategy」レポート向け(Advertiser PerceptionsおよびGuidelineと共同)。広告主の半数が動画広告にGenAIを利用、86%が利用中または利用予定、2026年までに全広告の40%。リリースに標本数と調査実施日の記載なし。確認日:
- VideoWeek:Half of US buyers are using generative AI for digital video ad creation、同じIAB調査に関する2025年7月15日付の記事。今年購入されるデジタル広告の約30%が生成AIで作られ、翌年は39%。Advertiser Perceptionsによる、バイヤー側の幹部クラスへの調査。確認日:
- ANA:Nearly One-Third of Ad Creative Is Now Built Using AI、2025年7月18日付のIAB調査の要約。3分の1という数値が出回っている場所。確認日:
- TechCrunch:Meta says its business AI now facilitates 10 million conversations a week、2026年4月30日。Meta CFOのSusan Li氏が2026年第1四半期決算説明会で語った、800万超の広告主がGenAI広告クリエイティブツールを1つ以上使っているという内容を引用。確認日:
- Moomoo:Meta Platforms Q2 2026 earnings conference call、Metaの2026年第2四半期決算説明会の書き起こし転載、2026年7月29日。Mark Zuckerberg氏の発言:900万の小規模事業者がAI広告クリエイティブツールを1つ以上使用。確認日:
- Metaビジネスヘルプセンター:About AI info on ads created or edited with generative AI tools、Metaのツールと、C2PAなどのシグナルを通じたサードパーティのツールに対する、AI infoラベルの自動付与。ラベル付き広告の件数なし。en_USバージョン、日付なし。確認日:
- TikTok広告ポリシー:Misleading and false content、セクション「Edited media and AI-generated content (AIGC)」:大幅にAIで作られた広告へのラベルまたは注意書き。ラベル付き広告の件数なし。確認日:
- Google広告ヘルプ:Use AI content label settings and disclosures、Google広告で作成したアセットのSynthIDとC2PA。マーク付き広告の件数なし、日付なし。確認日:
- CNBC:Amazon makes sellers label AI-generated people in images after NY law、Amazonの出品者向けルールについての2026年7月23日付の報道。タグ付けされた出品ページや広告の件数なし。確認日:
- PPC Land:Only 2 of 3,379 AI-flagged Meta ad files disclosed AI use, Resemble AI finds、2026年10月27日付の記事。Resemble AIの2026 Synthetic Advertising Report(2026年10月22日公開)について:Meta広告ライブラリの画像・動画ファイル37,768件を2026年9月に収集、うち3,379件がResemble独自の検出器でフラグ付けされ、広告文でAIに触れていたのは2件。レポートはResembleの検出モデルを宣伝するもの。確認日:
- PPC Land:Meta’s ads with creators gain 97% to a $15bn annual run rate、2026年10月21日付の報道。2026年第3四半期決算説明会でのMeta CFO Susan Li氏の発言として、第3四半期にMetaの生成AIクリエイティブツールを1つ以上使った広告主は1000万近く。確認日:
- Net Influencer:One in 11 Meta Ad Files Used Synthetic Media, Almost None Disclosed, Study Finds、同じ調査についての2026年10月22日付の報道:509社・26業種の広告15,433件、6.9%がブランド自社ページ上の広告。確認日:
このページの変更履歴
- F8を追加:Meta自身の10月21日の決算説明会での発表によると、2026年第3四半期にMetaのAIクリエイティブツールを使った広告主は1000万近く。
- F7を追加:Meta広告ライブラリのファイルをResemble AIがスキャンした結果(8.9%がAIと判定、3,379件中2件が開示)。実際に人の目に触れた広告を数えた、このページで最初の数値です。イントロと数値の種類の説明も更新。
- ページを作成:公表された数値6件と各プラットフォームの開示4件を、それぞれ出典元で確認。