AI画像・動画制作向けクラウドGPUの料金
クラウドGPUとは、他社のデータセンターにあるグラフィックカードを時間単位で借り、AIモデルを動かす仕組みです。カード自身のメモリであるVRAMの容量によって、動かせるモデルが決まります。
2026年10月24日に確認したGPUクラウド8社のうち、RTX 4090の料金が最も安いのはRunpodのCommunity Cloudで、1時間あたり0.34ドルです。H100 PCIeも1.99ドルで最安ですが、差は1セントです。
5090、L40S、A100、RTX PRO 6000では、Vast.aiの検証済みホストの最安値が、どの定価よりも安くなっています。RTX PRO 6000はVast.aiが1.08ドルに対し、Runpodは1.69ドルです。Vast.aiの数字は検証済みホストのみを対象にしています。
2026年10月17日、当サイト自身のRunpodアカウントのSecure Cloud RTX 4090で、1280×1280のFLUX 3 Klein画像1枚に約28.5秒かかりました。このティアの料金で計算すると、GPU時間のコストは1枚あたり0.007ドルです。
| プロバイダーとティア | RTX 4090(24 GB) | RTX 5090(32 GB) | L40S(48 GB) | A100(80 GB) | H100(80 GB) | RTX PRO 6000(96 GB) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Runpod Community Cloud 定価。A100 SXM、H100 PCIe | $0.34 | $0.69 | $0.79 | $1.39 | $1.99 | $1.69 |
| Runpod Secure Cloud 定価。A100 SXM、H100 PCIe | $0.89 | $1.19 | $1.09 | $1.79 | $2.89 | $2.49 |
| Runpod Serverless Flexワーカー、リクエスト時のみ稼働 | $1.34 | $1.79 | $1.75 | $2.72 | $5.39 | $3.49 |
| Vast.ai(検証済み最安値) マーケットプレイス。H100 PCIe、RTX PRO 6000 WS | $0.41 | $0.64 | $0.74 | $1.07 | $2.00 | $1.08 |
| Vast.ai(検証済み中央値) マーケットプレイス。中間のオファー | $0.67 | $1.03 | $0.80 | $1.12 | $2.33 | $1.83 |
| TensorDock 一般的な価格(ホストにより変動)。A100 PCIe、H100 SXM5 | $0.35 | 記載なし | 記載なし | $1.50 | $2.25 | 記載なし |
| Massed Compute 定価。H100 80 GB | 記載なし | 記載なし | $0.97 | $1.35 | $2.73 | $2.19 |
| Modal 1秒あたりの料金×3,600。H100 SXM5 | 記載なし | 記載なし | $1.95 | $2.50 | $3.95 | $3.03 |
| Lambda 定価。H100 PCIe | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | $3.29 | 記載なし |
| DigitalOcean GPU Droplets 定価。HGX H100 | 記載なし | 記載なし | $1.57 | 記載なし | $4.41 | 記載なし |
| Paperspace オンデマンドのプロモ価格 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | $5.95 | 記載なし |
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同じH100でもクラウドによって料金が3倍違う理由
料金差の要因は、マシンの持ち主と、契約期間の長さです。H100は、RunpodのCommunity Cloudでは1時間1.99ドルから、Paperspaceのオンデマンドでは5.95ドルまで開きがあります。
RunpodのCommunity CloudとVast.aiは、第三者のホストが所有するマシンを貸し出す仕組みです。RunpodのChoose a Podドキュメントでは、Community Cloudの信頼性は「Variable(ばらつきあり)」とされており、Runpodは新規のCommunityホストの受け入れをすでに終了しています。
Vast.aiではホストが自分で価格を決めます。検証済みのRTX 4090のオファー39件は、最安0.41ドルから中央値0.67ドルまででした。
契約期間が、料金差を生む2つ目の要因です。PaperspaceでA100が1時間1.15ドルと表示されるのは、3年契約の場合だけです。LambdaはA100 SXM 80 GBを8枚構成のマシンでしか販売しておらず、カード1枚あたり2.79ドルです。
リクエストが少ないときは、サーバーレスは1時間あたりの単価こそ高いものの、月額では安く済みます。Runpodのflexワーカーは、起動から完全停止までが課金対象で、ジョブの合間はゼロにスケールダウンします(Runpodの料金)。Modalは関数が動いている秒数に課金し、リクエストの合間は無料です。H100の料金は1秒あたり0.0011ドル、1時間あたり3.95ドルになります(Modalの料金)。
画像1枚・動画1本あたりのコスト
1時間あたりの料金だけでは、カードの処理速度がわからないと判断できません。役に立つのは、1回の生成あたりのコストです。時間単価を、1時間に完成する生成数で割って求めます。
2026年10月17日、当サイト自身のRunpodアカウントで、Secure CloudのRTX 4090を使い、FLUX 3 Kleinの画像12枚を342秒で生成しました。1枚は1280×1280・16ステップで、1枚あたり約28.5秒です。
下の表では、この所要時間を4090の各料金に当てはめています。どの行も、Secure Cloudで計測した28.5秒を前提にしています。
| 4090の稼働先 | 1時間あたり | 100枚あたり |
|---|---|---|
| Runpod Community Cloud | $0.34 | $0.27 |
| TensorDock(一般的な価格) | $0.35 | $0.28 |
| Vast.ai(検証済み最安値) | $0.41 | $0.32 |
| Runpod Secure Cloud(実測) | $0.89 | $0.70 |
| Runpod Serverless | $1.34 | $1.06 |
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料金への影響は、クラウドの違いよりも設定の違いのほうが大きくなります。FLUX 3 Kleinのフルモデルを50ステップで動かすと、同じポッドで1枚あたり約4分かかり、コストは1枚0.06ドルでした。
これらはGPU時間のみの金額です。ポッドの起動、モデルの読み込み、ストレージの費用は別にかかります。これらを合算した内訳は、Runpodの料金内訳をご覧ください。
動画の場合は、自分のポッドで1本を生成して所要時間を計り、割り算します。RunpodがホスティングするWan 2.2なら、5秒・720pのクリップが0.30ドルで作れます(Runpodの料金)。レンタルした5090(1時間1.19ドル)がこれより安くなるのは、1本あたり15分未満で生成できる場合だけです(1.19÷0.30=1時間あたり3.97本)。
用途別のGPUの選び方
まず確認したいのはVRAMの容量です。モデルが収まらない場合は、コンピューターのメインメモリにあふれ出し(オフロード)、動作はしますが処理は遅くなります。
| 用途 | 必要なVRAM | 対応するカード |
|---|---|---|
| FLUXなどの画像モデルによる広告用静止画 | 6〜17 GBのモデル。当サイト自身のRunpodアカウントでの運用ベース | RTX 4090または5090 |
| Wan 2.2 5B(動画) | ComfyUIのオフロードを使えば8 GBに収まる(ComfyUIのドキュメントより) | 表のどのカードでも可。最安はRTX 4090 |
| 40 GB前後の大型動画モデル | 5090の32 GBを超える容量。当サイト自身のRunpodアカウントでの運用ベース | L40S、A100、RTX PRO 6000 |
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約40 GBの動画モデルは5090に収まらず、オフロードが発生します。当サイト自身のアカウントでは、このあふれが原因で、時間単価の高い96 GBのカードのほうが、1本あたりのコストは安くなることがあります。Wan 2.2のモデルカードには、5Bバージョンは「4090のようなコンシューマー向けグラフィックカードでも動作」するとあります(Hugging Face)。
ステップごとのセットアップ手順は、Wan 2.2をRunpodとComfyUIで動かす方法とRunpodでのComfyUIで紹介しています。そのほかはRunpodまとめで紹介しています。
GPUをレンタルしても、モデルのライセンスは適用される
クラウドが貸すのはハードウェアだけで、生成した動画や画像を広告に使えるかどうかはモデルのライセンス次第です。Wan 2.2はApache 2.0です。LTX-2は、企業の年間収益が10,000,000ドル以上になると有料ライセンスが必要です(ライセンス第2.1条)。
MiniMax H3のライセンスは米国・EU・英国・韓国を対象外としているため、どのGPUで生成した動画でも、これらの地域では広告に使えません。同じ用途でより安いホストはRunpod代替サービスで比較しています。
表の作成方法
料金表に載せるのは、提供元の公式ページまたはAPIに表示されている価格です。GPU1基のオンデマンド料金を2026年10月24日に確認しました。「記載なし」は、そのGPUについて1基・オンデマンドの料金が公式ページに載っていないことを示します。
Vast.aiの料金は、公開されているオファー検索から取得しています。対象は検証済み・レンタル可能・GPU1基・オンデマンドのオファーで、デフォルトのディスクを含む時間あたり合計料金の安い順に並べています。Modalは秒単位の料金を公開しているため、表では3,600倍にしています。TensorDockのページにはホストによって変わる目安価格が載っており、最終更新は2024年7月24日と記載されています。
各行にはアンカーを付けているため、/data/cloud-gpu-prices/#runpod-communityのようなリンクは変わりません。訂正はこのページの変更履歴と更新・訂正に掲載します。
このデータの引用方法
adtestbench「AI画像・動画向けクラウドGPU料金」、https://adtestbench.com/data/cloud-gpu-prices/、更新。
- CSVファイル /data/cloud-gpu-prices.csv
出典
- Runpod:Runpod料金(Secure Cloud、Community Cloud、Serverlessの料金。自社アカウントのGPUタイプAPIでも同じ数値でした)。確認日:
- Vast.ai:Vast.aiのオファー検索API(検証済み・レンタル可能・GPU1基のオンデマンドのオファー。時間あたり合計料金にはデフォルトのディスク代を含む)。確認日:
- Vast.ai:Vast.ai料金(料金はホストが設定)。確認日:
- Lambda:LambdaのGPUクラウド料金(GPU1基あたりの時間料金。分単位課金で、別途売上税またはVAT)。確認日:
- Modal:Modal料金(GPU料金は秒単位)。確認日:
- TensorDock:TensorDockのクラウドGPU(目安の時間料金でホストにより変動、秒単位課金。ページの最終更新は2024年7月24日)。確認日:
- Massed Compute:Massed Compute料金。確認日:
- DigitalOcean:DigitalOcean GPU Droplets料金(秒単位課金、最低5分)。確認日:
- Paperspace (DigitalOcean):Paperspace料金(H100はプロモ価格でのオンデマンド。A100の料金は3年契約の場合のみ表示)。確認日:
- ComfyUIドキュメント:ComfyUIでのWan2.2(5Bモデルとネイティブのオフロード)。確認日:
- Runpodドキュメント:Choose a Pod(Community Cloudの信頼性は「Variable」、新規のCommunityホストは受け付けていません)。確認日:
- Hugging FaceのWan-AI:Wan2.2 TI2V-5Bモデルカード(Apache 2.0。4090などコンシューマー向けのカードで動作)。確認日:
- GitHubのLightricks:LTX-2 Community License Agreement(第2.1条)。確認日:
このページの変更履歴
- Runpodが2026年10月30日にServerlessのflex料金を値上げしました(4090 PROは1時間あたり1.34ドル、5090 PROは1.79ドル、H100 PROは5.39ドル)。Serverlessの行と100枚あたりのコストも更新しています。他の行は2026年10月24日から変更ありません。